【鎌倉殿の13人】北条義時死後の鎌倉と主要人物のその後
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4代目鎌倉殿【藤原頼経】権力争いに翻弄された数奇な人生
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鎌倉幕府は3代目・源実朝以降、源氏の嫡流が途絶えてしまいました。4代目には源氏以外の家から将軍が誕生しています。その4代目将軍の名は藤原頼経。摂家関白の九条道家の三男でした。
そこで、今回は藤原頼経(源頼経)の生い立ちや将軍就任後の権力争いなど書いていきたいと思います。
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藤原頼経の生い立ち
藤原頼経は関白を歴任した九条道家の三男として生まれ、寅年生まれだったことから幼名を三寅と名付けられました。父・道家と母・西園寺掄子は、いずれも源頼朝の同母妹のひ孫にあたることから、遠縁ながらも源氏の血筋を受けていました。
1219年に鎌倉幕府三代目将軍・実朝が暗殺されると、幕府の権力者が執権・北条氏に移ります。すでに源頼朝直系の男児は途絶え、ふさわしい人物が見当たりません。次期将軍に親王を迎えて幕府の権威を高めようとします。しかし、後鳥羽上皇は実朝暗殺の事実を鑑みて北条氏の上奏を拒否しました。
そこで、北条氏は代替案として摂家の中からまだ2歳の頼経を迎えたい旨を依頼します。朝廷側も、これを断ると幕府との全面戦争になりかねないことから渋々了承します。
こうして、まだ2歳の頼経は鎌倉に迎えられ、北条政子が後見人となり幕府の政務を取り仕切ることになりました。
鎌倉幕府４代目将軍・源頼経の誕生
北条氏が朝廷を利用して幕府の権威を高めようとしたことで、後鳥羽上皇は激怒。反幕府派の武士や僧兵、御家人を集め倒幕の準備をしました。そして、ついに1221年に2代目執権・北条義時の討伐命令が出ます。
その後、北条時政の後妻の兄弟・伊賀光季が上皇の誘いを断り殺害されると、朝廷と幕府の全面戦争に発展しました。この戦いが承久の乱です
朝廷の力は当時強大だったので、鎌倉幕府の御家人達でも朝廷を戦いう事は避けたいと思っていました。そこで北条政子は19万人の幕府軍に向けて有名な演説を行い、士気を上げました。この影響もあって幕府が朝廷側を圧倒します。
戦いに敗れた後鳥羽上皇は隠岐島へ流され、他の多くの皇族や朝廷側の御家人が処罰されました。この時、執権・北条義時は朝廷を監視するために六波羅探題を設置しています。
やがて1225年になると、承久の乱の頃は成人と認められていなかった頼経が9歳で元服。既に義時・政子姉弟は亡くなり、幕府の実権は泰時・時房兄弟が実権を握るようになっています。
1230年になると、頼経は二代目将軍・頼家の娘を正室に迎えました。
頼家の娘・竹御所は唯一源頼朝の血筋を引く生き残り。将軍との間の子供が期待されていましたが、第一子の出産が難産だったこともあり、母子ともに亡くなってしまいます。こうして、頼朝の直系はすべて絶えてしまいました。
源頼経は将軍になってからも様々な権力争いに巻き込まれていくことになります。
北条得宗家と反執権勢力との戦い
1238年、頼経は北条泰時・時房らと上洛します。
その後、8か月ほど京都に滞在したとされ、その間に春日大社に参詣し、頼経の両親や兄弟たちと再会し、朝廷から権中納言・検非違使別当を経て権大納言まで昇進しました。
頼経の昇進に伴い権力をつけていくにつれ、反得宗家・反執権派が頼経に接近し始めました。北条時政追放以降、北条氏一族の間でも枝分かれしていたことから、北条義時は自分の家系を得宗と称し、執権の権限は原則得宗家のみから輩出すると決めました。
これに反発したのが、得宗家以外の北条一族です。すでに庶流も多くなっていた得宗家以外の北条一族からも反得宗家が続出します。
1242年に北条泰時が59歳で死去すると、泰時の孫である経時が執権に就任。さらに、将軍・頼経の祖父・西園寺公経も死去すると、父・道家が幕政に介入しようとします。
祖父・西園寺公経は、北条氏に気を使っていたのですが、父・道家は北条得宗家に反感を買っていたことから将軍と得宗家との関係が悪化してしまいます。
1244年、将軍・頼経は将軍職を嫡男・藤原頼嗣に譲りますが、自身は大殿として、裏で幕府内の権力を維持しました。1245年に頼経は再度上洛を試みますが、直前に北条時頼の兄弟の屋敷から出火し政所が消失し延期となりました。
これは頼経の上洛を阻止しようと北条氏がわざと屋敷に火を放ったと言われています。
得宗家と対立し始めていた頼経周辺の御家人たちが出世すれば「得宗家でも頼経を抑え込めなくなる」と考えて上洛を阻止しようとしたそうだよ。
上洛の失敗と同年に頼経は出家し行賀と号しただけでなく、将軍御所を頼嗣に譲るという動きを見せています。
出家と御所を譲ったのが関係しているかはわかりませんが、翌年の1246年に頼経を中心に反得宗家による執権排斥の動きが活発化。
反得宗家勢力・名越光時（泰時の甥）の反乱を未然に防ぐと、頼経も首謀者として京都へ送還されました。父・道家も関東申次を罷免され、隠居させられています。
この一連の騒動は【宮騒動】と呼ばれます。
晩年の藤原頼経
三浦泰村と光村兄弟が、頼経の鎌倉帰還を画策しますが失敗。1252年には頼経の子である5代目鎌倉殿・頼嗣も将軍職を解任され、京都へ送還されました。
程なくして、父・九条道家が死去（1252年）。父関係なしに頼経はその後も反得宗家と組んで鎌倉復帰を試みますが、ことごとく失敗。1256年に死去することとなりました。その翌月には息子・頼嗣も死去した為、何者かによる暗殺説がささやかれています。
4代目鎌倉殿・藤原頼経は、傀儡将軍として2歳で迎え入れられてから38歳でその生涯を閉じるまで鎌倉幕府の権力争いに放浪された人生でした。この頼経・頼嗣の2代の鎌倉殿は歴史的に摂家将軍と呼ばれています。
朝廷と幕府の板挟みになりながらも大殿として、幕府の実権を握ろうとしてのは自分の力を保とうとしたからだと言われています。
頼経の年表
1218年
頼経誕生
摂政関白を歴任した九条道家と公卿の西園寺家の娘掄子（りんし）の間に三男として誕生。
1219年
源実朝暗殺
三代将軍の実朝が暗殺。幕府は皇子を将軍に迎えようと朝廷に申し入れるも拒否され「摂関家の子弟を将軍に」という妥協案が出され、2歳の頼経が鎌倉へ。
1221年
承久の乱
朝廷を利用しようとして激怒した後鳥羽上皇が、幕府の中心である義時追討の院宣を発布し承久の乱が勃発。
朝廷が敗北して後鳥羽上皇は配流、京には朝廷を監視する六波羅探題がおかれた。
1225年
頼経元服
9歳で元服
1230年
頼経、正室を迎える
二代目将軍・頼家の娘。頼朝の血筋をひく唯一の生き残りのため子を期待されるも難産で母子ともに死去。
1238年
頼経が京に滞在
北条泰時・時房らと上洛。頼経が昇進し、権力を得ると、反得宗家や反執権派が接近。
1242年
北条泰時死去
泰時の孫が新たな執権に就任すると、頼経の実の父・道家が幕政に介入。頼経と得宗家の関係悪化。
1244年
頼経が嫡男・頼嗣に将軍職を譲る
自身は大殿として裏で権力維持。
1245年
頼経、再度上洛を試みるも延期／出家
・頼経が側近の力をつけさせようと上洛を計画し、それを危惧した得宗家により上洛を阻止された可能性が指摘されている。
・鎌倉久遠寿量院にて出家。
1246年
宮騒動
執権・北条泰時の後を継いだ経時が病死し、好機と見た反得宗家が反乱を起こそうとするも未然に防止された。
1252年
5代将軍・頼嗣が将軍職を解任され京都へ
宮騒動後にも何度か起こっていた反得宗家の動きに道家・頼経父子が関与していたとされ、孫・息子の頼嗣は14歳で将軍職を解任。
第6代将軍には後嵯峨上皇の皇子・宗尊（むねたか）親王が皇族で初めて征夷大将軍となることが決まった。
1256年
頼経死去
赤痢と言われているが、暗殺説も。
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歴史好きが高じて日本史・世界史を社会人になってから勉強し始めました。基本的には、自分たちが理解しやすいようにまとめてあります。
日本史を主に歴ぴよが、世界史は歴ぶろが担当し２人体制で運営しています。史実を調べるだけじゃなく、漫画・ゲーム・小説も楽しんでます。
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