
2024年の新紙幣の人物画に渋沢栄一・津田梅子・北里柴三郎が選ばれました。
2023年の4月14日には報道陣に向けて新しいデザインの紙幣が公開されています。
新紙幣発行には、偽造防止など目的に一定期間を経て紙幣や貨幣を新しく発行しています。私はすでに●十年以上生きてきたので、もう3回程新紙幣発行に立ち会っています。
新紙幣には、最先端のホログラム技術が導入され、紙幣を斜めに傾けると肖像が立体的に動いて見える他、透かしは肖像を映し出すだけではなく、紙の厚みを変えて高精度な模様を施しています。
また、文字サイズを大きくして視力が弱くても見やすくしているほか、触って紙幣を識別できるように凹凸が設けられています。
新紙幣に決定した三人の人物とは??
- 一万円…福沢諭吉 ⇒ 渋沢栄一
- 五千円…樋口一葉 ⇒ 津田梅子
- 千円 …野口英世 ⇒ 北里柴三郎
と変更になります。
デザイン変更に伴い、裏面も変わり1万円は東京駅、五千円は藤の花、千円は葛飾北斎の神奈川沖浪裏となっています。
では、新しい紙幣の顔として選ばれた3人の主な功績など書いて行きましょう。
近代日本経済の父・渋沢栄一は新1万円札

埼玉県深谷市出身の渋沢栄一は、NHKテレビ小説【あさが来た】では、銀行経営指南役として登場し、大河ドラマ【青天をつけ】では、主人公としてその生涯が放送されました。
大河ドラマでは、珍しい文化人という事であまり期待はしていなかったのですが、見てみると意外に面白かったので、再放送で見る機会があれば一気見してみたいなと思っています。
渋沢栄一の記事でも書いていますが、明治~昭和初期にかけて活躍し、彼がかかわった事業は500以上にもおよび、銀行の設立に始まり現在の東京ガスや王子製紙、キリンビールの前身の企業にも携わっています。
新五千円札は津田塾大学創設者・津田梅子
津田塾大学の創設者の津田梅子は、日本の女子教育に尽力し大河ドラマ【八重の桜】では、河北麻友子さんが演じていましたね。
梅子は6歳の時に、岩倉使節団に入り女子留学生として11年間アメリカで暮らしました。一度帰国しましたが、もう一度アメリカへ渡り生物学を学んで津田塾大学の前身・女子英学塾を創設しました。
女性の地位向上が日本の発展になると感じ、生涯情勢の高等教育に力を入れていきました。
日本の近代医学の礎を築いた北里柴三郎は新千円札
ジフテリア・破傷風・抗血清開発などの細菌学分野で功績を挙げたのが北里柴三郎です。
熊本医学校・東京医学校で医学を学び、内務省衛生局に入った後にドイツへ留学。北里柴三郎は、予防医学を重要視しており、破傷風の血清を作り上げたり、香港で蔓延していたペスト調査では自ら現地へ。そして、ペスト菌を発見し細菌学の視点から病気予防に尽力しました。
生涯通じて、いくつもの研究所や病院設立に携わり院長も務めています。
渋沢栄一は書きましたが、残り二人の偉人たちはいずれ記事にしようと思います。
お札の肖像画に選ばれる基準
新紙幣発行のたびに過去の偉人たちが選ばれますが、一体どのような基準で選ばれているのでしょうか?
お札のデザインは、財務省・日本銀行・国立印刷局が協議して、最終決定は財務大臣が決定しているようです。岸田内閣で決定されていたのなら、鈴木俊一大臣で安倍内閣なら麻生太郎氏が決定しいたかもしれませんね。
気になる人選ですが、特に規定はないようですが以下の基準で決めているそうです。
- 国民が世界に誇れる事
- 教科書に載っていて一般的によく知られている事
- 偽造防止のために精密な写真や絵画を手に入れられる事
ちなみに渋沢栄一は、1963年に発効された1000円札にノミネートはあったようですが、髭がなく偽造防止処置が難しいという事で、落選していたようです。この時、明治天皇、伊藤博文、岩倉具視、野口英世、渋沢栄一、内村鑑三、夏目漱石、西周、和気清麻呂の9人が最終候補にあったようですよ。
61年ぶりの復活当選を果たした渋沢栄一の背景には昨今の偽造防止技術が向上した事で、より国民が親しみを持てるような人物が選べるようになったとの事です。
過去のお札の偉人たち
これまで日本のお札には18人の偉人たちが採用されました。
時代を象徴する人物や偉業成し遂げた人物ばかりです。
正規の通貨との兌換(引き換え)が保障されている銀行券の事で、正式名称は兌換銀行券と言います。1885年(明治8)~1931年(昭和6)まで発行されており、1917年~30年の金本位制が停止され兌換は行われませんでした。
神功皇后
日本初の肖像入り紙幣として1881年に発行が開始された1円・5円・10円券には、日本の古代神話に登場する神功皇后が印刷されていました。神功皇后は安産・子育ての女神として赤羽八幡神社に祀られています。
菅原道真
学問の神様でおなじみの菅原道真。当時は要職につき、時代のリーダーとして活躍しました。当ブログでも取り上げていますので、良かったら参考にしてみてください。
武内宿禰
日本神話上の人物で、300年も生きたといわれる武内宿禰(たけしうちのすくね)。5人の天皇のもとで働いていたとされる伝説の人物です。改造兌換銀行券の1円券、兌換券の5円・200円券、日本銀行券の5円券に描かれました。
和気清麿呂
和気清麿呂は、桓武天皇時代の官僚で平安遷都に尽力しました。よく調べていないので、これくらいしか私はわかりません。
藤原鎌足
大化の改新・乙巳の変でおなじみの、古代日本の政治史に大きく貢献した人物。日本の歴史を習うときには必ずと言っていいほど取り上げられます。明治期には100円券に昭和初期には20円券に印刷されていました。
聖徳太子

最近の研究では聖徳太子が存在するのかしないのかの議論がありますが、日本では知らない人がいないくらいの有名人です。
推古天皇の摂政として政治・法律を整備し、隋などの他国との交流と文化を取り入れ、日本の発展に大きな貢献をしました。
昭和4年~昭和61年まで長きにわたり一番大きい金額紙幣の肖像画として記憶にあります。
日本武尊
古事記・日本書紀に伝わる古代の日本の皇族であり英雄として語られる、日本武尊(やまとたけるのみこと)。漫画や小説などさまざまな作品に登場する人物で、紙幣の兌換券である1000円券に描かれていました。
二宮尊徳
あなたの母校にもあるかもしれません。学校の銅像・二宮金次郎の事。薪を背負って本を読んでいます。
1946年に日本銀行券1円に書かれていました。
板垣退助
長い間聖徳太子が100円札でしたが、昭和28年から昭和49年まで発行されていました。
自由民権運動の父です。
高橋是清
1951年(昭26)に発行された、日本銀行券50円券に描かれた高橋是清。
日本銀行総裁や内閣総理大臣などを務めた優秀な人物でしたが、2.26事件で殺害されてしまいました。
岩倉具視
岩倉使節団でおなじみの岩倉具視。高橋是清と同じ時期に発行されました。
大河ドラマの西郷どんでは笑福亭鶴瓶が熱演していました。
伊藤博文
昭和61年まで使用されていたのが、伊藤博文の日本銀行券1000円。
日本の総理大臣を4回も務めました。
夏目漱石
平成19年まで発行されていた事から記憶に新しい事でしょう。
【吾輩が猫である】などの多くの文学作品を残した夏目漱石ですが、チョット変わった人物だったらしいです。
新渡戸稲造
新渡戸稲造は、初代の国際連盟事務次長になり、「我太平洋の架け橋とならん」という言葉を残した人物です。
1984年に発行開始の日本銀行券5,000円券に描かれました。
福沢諭吉
現行のお札なので何かと問題かと思い画像は載せません。自分の財布を確認してください。
1984年から現在まで使用されている10000円に印刷されているのが福沢諭吉。慶應義塾大学の創始者で【学問のすゝめ】の著者でもあります。
紫式部
現在、発行されていないのがびっくりしました。現在でもたまに手にすることが出来る2000円札には紫式部が印刷されています。沖縄では結構流通しているらしく目にすることも多いと聞いています。
野口英世
現在の1000円札に描かれている野口英世は、黄熱病や梅毒研究で知られている医師・細菌学者です。梅毒は過去の病気のイメージがありましたが、最近水面下で流行しているらしいので他人ごとではありませんね。
樋口一葉
明治の小説家で【たけくらべ】の作者。2004年~5000円札の肖像画に選ばれました。話がそれますが、10000円と5000円札の歴史は新しく、樋口一葉で3代目の5000円札で福沢諭吉は2代目なのは知っていました?
今回は、主に新紙幣と旧紙幣の偉人たちについて少しふれてきました。
こうしてみると、人物を掘り下げていくのが楽しそうな顔ぶれだったので、そのうち書いて見たいと思います。みなさんもリクエストがあればメールを送ってください。
追伸
少し、宣伝じみて申し訳ありません。
この度、お誘いがあり、yahooクリエイターズプログラムに参加する事になりました。
各種手続きを経て、5月10日より第一作の記事を投稿しております。内容は、日本史が中心で、大河ドラマネタを中心に、その時話題になった人物などを書いて行こうかなと思っています。
また、逃げ上手の若君ネタもやって行こうかなと思っています。
誰にでもわかりやすくサラッと書いているので、興味のあるかたはのぞいてみてください。
Yahoo!JAPAN クリエイターズプログラム 歴ブロのページ