人類初のエネルギー改革【火の使用】とマッチとライターの歴史
人類が火を扱うようになったのは、おおよそ180万年から80万年前と言われています。
火の発見は、火山の噴火や雷によって火が発生し「偶然に」好奇心旺盛な人類によって使われたと考えます。こうして始まった火の使用は試行錯誤の中で猛獣から身を守る手段となり、暗闇を照らす役割や寒い時に体を温める手段として利用されるようになりました。さらに、食べ物を焼くことによって当時の食事の幅が広がる結果となっています。
後には自ら火を生み出す手段として、木と木をこすり合わせて火を起こす「火おこし」という方法が生み出されました。北京原人たちも洞窟内で焚火を行っていたとされ、これが暗闇を照らす明かりの始まりとなったと言われています。
そこで今回は、火の歴史を背景に、ライターやマッチについて述べてみたいと思います。
人類初のエネルギー革命は火の使用
考古学的に人類が火の使用を確認できたのが、先述した約50万年前の北京原人とされています。火の使用によって、人類の住環境や食生活に大きな影響を与えました。この進歩は石器などの道具の使用に次ぐ革命的な出来事で、人類にとっては初めてのエネルギー革命となっています。
細かい事はさておき、人類が火を手に入れた事でどのように生活が変化したのでしょうか?
- 調理の幅が広がり、たんぱく質や炭水化物を摂取しやすくなる
- 火を使う事で暖を取ることができ、気温が下がる夜に活動もできるようになり、また寒い所でも生活できるようになる
- 猛獣から身を守る事ができる
上記のようなメリットを享受できるようになった一方で、扱いを間違えると火災を引き起こし大きな影響を及ぼすのが「火」の特徴ですが、人類にとってはデメリットよりもメリットの方が大きかったからこそ今日まで火の使用が受け継がれてきたのでしょう。
時が過ぎ1870年代にドイツで電動モーターがつくられ第二のエネルギー【電力】が新たなエネルギーとして導入されるようになります。電力は第二次産業革命の主要エネルギーとして、社会を大きく変貌させるのでした。
そして、現代においては原子力を【第三のエネルギー】として利用する技術を発展させています。
しかしながら、これは第一・第二のエネルギーと同じく誤用すれば災厄をもたらす可能性があります。この第三の炎は大きなエネルギーを生み出す反面、私たち人類が制御できない未知の災害を引き起こすことがあることを東日本大震災で痛感させられました。
マッチよりも先に実はライターが開発されていた
最近、電子タバコの普及や健康志向から煙草に火をつけるという事がめっきり減りました。
その煙草に火をつけるために必要なのがマッチかライターです。タバコは主にライターの方が主流かもしれませんが、仏壇のろうそくやお線香に火をつけるのはマッチの方が多いような気がしますね。
そんな喫煙者に必需品なのがマッチやライターですが、基本的にタバコに火をつける時には、ライターを使用している人が大半だと思います。現在でも現役で使われている文明の利器ライターですが、実はマッチより先に発明されていたのはご存じですか??
マッチの歴史
マッチは1826年に、イギリスの薬剤師ウォーカーによって考案されました。
当時、一般的に使われていたのは小さな棒の先に【黄燐】を塗った『黄燐マッチ』です。
このマッチは現代のものとは異なり、表面を摩擦させることで着火させる仕組みでしたが、品質の問題からなかなか点火しないこともありました。
1831年にフランスで改善が行われ、擦ればどこでも点火できるマッチが開発されます。しかし、黄燐は強力な毒性を持ち、その製造過程で労働者の健康が害されたりマッチが悪用されたりする問題が発生します。
また、「擦ればどこでも点火する」という特性が災いして移動中の衝撃や摩擦による火災が多発し、非常に危険であると認識されました。
その後、数々の改良が試みられ、ドイツで「安全マッチ」として知られるタイプが提案。この新しいマッチは、箱の側面にあるヤスリ状の摩擦面でしか点火しないように工夫されてたものでした。
結果として、現代においてほとんどの生産・販売されているマッチは、「安全マッチ」として広く使われています。
ライターの歴史
出始め当初からライターと呼ばれていたのかは分かりませんが、携帯性に優れた着火具が発明されたのは、マッチが誕生する50以上年前のことでした。
1772年に平賀源内がゼンマイを使用した火打石と鉄を用いた、タバコ用ライターを発明しました。私たちの知っているライターとは形状が違い、フリントロック式銃と点火方式がよく似たものだったようです。
名前も刻みタバコ用点火器と呼ばれていたようで、愛好家の間では大変よく好まれて使用されていました。
お馴染みのライターが日本で実用化されるのは、1920年頃である日本人がアメリカで見つけたライターをまねて作ったのが第一号とされています。