室町時代

戦国時代直前の甲斐の国を見てみよう

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戦国大名それぞれの人物伝をお話しする前に、当時その土地がどんな状況だったのかを把握していなければ話が進まないので、今回は戦国時代直前の甲斐の国について調べていきます。

 

上杉禅秀の乱の勃発

室町時代に甲斐の国が混乱したキッカケとなったのは1416年上杉禅秀の乱です。

鎌倉公方の足利持氏に対して前任の関東管領・上杉禅秀が反乱を起こしました。

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鎌倉公方とは、当時の関東にあった10ヶ国を統治する組織・鎌倉府の長官に当たり、甲斐の国もその鎌倉府による統治される国に含まれていました。ということで甲斐の国の守護は無関係ではいられません。

甲斐国の守護で第13代当主の武田信満は禅秀の縁者でもありましたので、禅秀方として参戦します。当時すでに鎌倉府と室町幕府の仲は悪かったのですが、禅秀の縁者に将軍・足利義持の弟がいて『反義持派』として弟が担がれてました。

そんな裏事情もあって上杉禅秀の乱に幕府も参加します。 もちろん鎌倉府と幕府を敵に回して元関東管領勢力だけで勝てるはずもなく、鎮圧されて甲斐の国は守護不在の状況となってしまいます。

反乱の後に待っていたものは…?

甲斐国内にいる勢力の中で北西部を拠点とした国人の逸見(へんみ)有直は上杉禅秀の乱で鎌倉公方の持氏側として加担していたため、持氏が甲斐の国の守護として逸見氏を推してます。

幕府としては内部事情のために鎌倉公方の持氏についたのであって、持氏自身を支持したわけではありません。むしろ力をつけられるとマズいということで幕府は隠棲していた穴山氏の養子で信満の弟・満春を還俗・改名させ、武田信元として守護の任に就かせたのです。

上杉禅秀の乱がきっかけで信元の養父母がいる穴山家や鎌倉府推しの逸見家などが力を持つようになった他、鎌倉府と室町幕府の諍いから鎌倉府と敵対する有力国人を幕府の直臣にしたために『甲斐国内の国人はかなりの影響力を持っていた』といった事情もあって武田氏の影響力は相対的に下がります。

守護の力がなければ守護代(跡部氏)もその権威を狙います。

とにかく非常に混乱していたそうです(穴山・逸見以外にも東部に栗原、西部に加藤や大井、小山田などの勢力もあります。あまりに多いので下図は省略してますが)

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甲斐国簡略地図

なお、信濃の守護だった小笠原氏は幕府と鎌倉府のちょうど中間にあるため、状況によって守護職を度々外されています。室町幕府に対して割と忠実だったようで幕府の命があったために信元を支援していたと言われています(ちなみに跡部氏の甲斐での台頭は、小笠原氏が守護代として派遣したのが始まり)

甲斐国の内部事情の変化

甲斐国の内部が少し変化したのが1465年のこと。第16代当主・武田信昌が守護代の跡部氏の排斥に成功します。

ようやく少しは落ち着くかと思いきや1467年からは応仁の乱も始まり、隣国信濃の小笠原家も家督争いが勃発。さらに立て続けに飢饉・疫病・一揆も発生。甲斐国内だけでなく国外の有力者達も自立の動きを見せ始め、他の国と同様に甲斐国も乱国状態に突入していきます。

そんな最中、1491年に武田家の家督を継承したのが信昌の嫡男・信縄(のぶつな)

ところが、信昌は家督を譲ったはずなのに次男の油川信恵への家督相続を望むようになり、武田家は甲斐国内の戦乱に対処するだけでなく内部の家督争いも同時に対応しなければならなくなりました。他の地域と同様、内部争いに外部の有力者と結んで相手を出し抜こうとしたりと大混乱に陥ります。

甲斐国内で合戦が続いている中で更にピンチが続きます。駿河から甲斐国へ今川氏に侵攻され、相模からは伊勢盛時(北条早雲)に侵攻され、以後たびたび国境での争いが続くようになりました。

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一旦、1495年と1498年に南海トラフで起こった大地震『明応地震』のため武田信縄と信昌・信恵の間で和睦しますが、信昌の死をキッカケに再度分裂。

結局、甲斐国がまとまるのは武田信虎の活躍まで待つことになります。

武田信玄は、別の人物伝で書いていきたいと思います。

 

甲斐の虎・武田信玄の生涯を見てみよう 室町時代の甲斐の国は非常にゴチャゴチャしてややこしい混乱の時代でした。その甲斐の国の守護を世襲していたのが武田氏で、甲斐源氏宗家...
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歴史好きが高じて、日本史・世界史を社会人になってから始めました。史実を調べるのも好きですが、漫画・ゲーム・小説も楽しんでます。いずれ歴史能力検定を受ける予定。どうぞよろしくお願いします。