地政学

【地政学とは?】国際関係を解読する鍵となる重要な学問について基礎知識

歴ブロ

ロシアのウクライナ侵攻や中国の南シナ海に人工島を作り海上の主権を主張したり、台湾有事の可能性が高いのではないかとも言われています。

中国に関しては、国際仲裁裁判所の判決も無視した振る舞いをし、国際社会で非難の声が上がっています。こう言ったニュースを聞くたびに『なぜ?こんなことをするのだろうか?』と感じるのは私だけではないでしょう。

こういった国の行動の理由を知るには、地政学と言われる学問で分かると言われていますので、今回は地政学の基本的な事を紹介して行きます。

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地政学とはどんな学問なのか??

地政学とは、各国の地理的な環境に焦点を当て、その地理的条件が歴史的な出来事や現在の国際情勢にどのように影響を及ぼしているかを分析する学問です。

地政学は、国際政治や地域の対立・協力関係を理解する上で重要な視点となります。

国際情勢は各国の指導者や政権の意図や政策・パワーバランスの変化など、多くの要素によって複雑に絡み合います。一方で、地理的な要因は短期間で大きく変化することはありませんが、国際情勢に持続的な影響を及ぼす要素として重要な分野です。

この地政学的な視点から世界を理解することで、特定の地域や国の行動や動向を予測したり、国際的な対立や協力の背後にある要因を理解したりすることが可能になります。地理的な条件が異なる国々の相互作用を理解することで、より現実的な外交政策や戦略の策定に役立つこともあります。

地理を土台にして国際情勢を分析することで、世界の複雑な現象をより体系的に理解し、より持続可能な解決策を見出すことが地政学と言う学問です。

地理が分かれば世界が分かる

地政学は古代から存在する重要な学問であり、アテネの歴史家がペロポネソス戦争を地政学的観点から分析したと言われています。

地理的条件は、国家の安全保障や外交政策、経済活動、文化的交流などに大きな影響を及ぼす要因となります。

内陸部に位置し、東西南北を他国に囲まれている国は防衛上の緊張感がある事で、軍備や隣国との同盟関係を強化を図ったりすることが一般的です。

一方、日本のような島国は海に囲まれているため、陸地よりも海が緩衝地帯の役割を果たすために、直接的な攻撃を受ける可能性は低くなります。このため、軍事的なコストを抑えることができるという利点があります。

しかし、海洋を介して他国との交流や貿易が重要となるため、海洋交通の安全や海洋資源の保護にも配慮する必要があります。

地政学の視点は、歴史的な出来事や現在の国際情勢を理解するだけでなく、外交政策や国家戦略の立案にも重要です。地理的条件が国際関係に及ぼす影響を考慮することで、より現実的で効果的な政策を構築することができるでしょう。

地政学の必要性

地政学の必要性は以下の点になります。

  • 国際関係の理解:地理的条件は国際関係に影響を与える。
  • 安全保障政策:軍事的戦略や防衛政策に地理的要因が関与する。
  • 外交政策の構築:外交戦略において地理的な要素を考慮する必要がある。
  • 経済・資源の利用:地理的位置は経済活動や資源の利用に影響を与える。
  • 地域紛争の理解:地理的な分析が地域紛争の理解に役立つ。

これらの要点から、地政学は国際関係や安全保障、外交、経済戦略において非常に重要な学問であると言えます。地理的な要因を考慮することで、より効果的な政策立案が可能となります。

地理的に陸地を重視した大陸国家『ランドパワー』

地政学では、国家をランドパワーとシーパワーに分けて分析を行います。

ランドパワーとは、内陸部か海洋に面していても十分に活用できないロシアのような国の事を指します。海を十分に活用する事が出来ない事で、交易や人の移動手段などを陸上交通に頼っている国家とも言えるでしょう。

ランドパワーな国の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 国境を多くの国と接しているために防衛の重要性が高まる
  • 陸軍や陸上戦力を強化しており、領土防衛や地域的な影響を追求
  • 国家の安全保障について陸上戦力の強化や国境地帯の防衛が重要

この事から、ランドパワー国家は地政学的な特性を戦略に取り入れる傾向があります。

国境と隣国の関係や天然の障壁、地形などが重要な要素となります。

地理的な位置や軍事力を活用して、周辺地域における影響力を拡大することがあります。近隣諸国との関係を重視し、地域の平和と安定に寄与することを目指す場合もあります。

分かりやすい国家としては、ロシアや中国が挙げられます。これらの国は陸上戦力を重視し、領土の防衛や地域的な影響力の拡大を重要な国家戦略としています。

海洋進出で覇権を伺う『シーパワー』

一方で、海洋力を重視した軍事力や国家であるシーパワーは、海軍力を重視し海上での戦略的な展望や世界的な影響力を追求します。海洋に接する位置にあり、海上交通路や海洋資源の重要性を認識している国々がシーパワーを追求する傾向があります。

シーパワー国家の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 海に接する位置にあり海洋を重視する
  • 海洋における交易や貿易、海洋資源の利用を経済的要素して取り入れる
  • 海軍力を強化して地域的な安全保障を確保するだけではなく、海上交通の安全や国益の国大を目指す
  • 海洋における支配権を追求

こうしたシーパワー国家は、海洋を通じて国際社会での影響力を拡大することを追求し、海洋を舞台に国際的な協力や対立が行われることもあります。

シーパワー国家の代表国はアメリカ合衆国で、世界的な海洋力を持ち、海上での軍事的・経済的な展望や国際的な影響力を追求しています。また、イギリスや日本、中国なども海洋力を重視し、シーパワー国家としての地位を築こうとしています。

ただし、国家の戦略や政策は多様であり、シーパワーだけでなく他の要素や外交政策も含めて総合的に考慮される必要があります。

中国はランドパワーとシーパワーの両方を狙っている

地政学的にランドパワーとシーパワーの両立は極めて困難とされています。

ランドパワーは、陸で国境を接している隣国対してできるだけ陸軍力を備えます。また、シーパワーは、一定の海軍力を備え、海運産業が発展している事が重要です。

ランドパワーとシーパワーの両立は、一部の国々にとって重要な戦略的目標となることがあります。これは、陸上と海洋の両方の戦略的利点を最大限に活用することで、国家の安全保障や国益をより総合的に強化することを意味します。

ただし、ランドパワーとシーパワーの両立を図ることは、予算やリソースの配分などで難しい課題も伴います。

バランスを取りながら、国家の状況や戦略的な目標に合わせて戦略を立案し、適切な政策を実行することが重要です。多くの国は、両方の力を組み合わせて自国の利益を最大化しようとしますが、中国は結構強行的に行っている印象があります。

現在、中国が本来ランドパワーでありながら、近年は海洋進出を加速しています。この中国の政策が成功するかどうかは、地政学的に見てもとても興味深い事例だと言われています。

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歴ブロ・歴ぴよ
歴ブロ・歴ぴよ
歴史好きが高じて日本史・世界史を社会人になってから勉強し始めました。基本的には、自分たちが理解しやすいようにまとめてあります。 日本史を主に歴ぴよが、世界史は歴ぶろが担当し2人体制で運営しています。史実を調べるだけじゃなく、漫画・ゲーム・小説も楽しんでます。 いつか歴史能力検定を受けたいな。 どうぞよろしくお願いします。
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