ヨーロッパ史

歴ブロ

近世ヨーロッパの変化

15世紀ごろから、ヨーロッパでは中世までの社会や価値観に大きな変化が現れるようになりました。

文化や思想の変化に加えて、海外進出によってヨーロッパと世界各地との結びつきが強まり、16世紀には宗教改革によって西ヨーロッパのキリスト教世界も分裂していきます。

さらに各国では政治の仕組みも変化し、近世ヨーロッパでは地域ごとに異なる国家体制が発展していきました。

ルネサンス(14世紀〜16世紀ごろ)

14世紀ごろからイタリアでは、古代ギリシア・ローマの文化や学問を見直そうとするルネサンスが始まりました。

地中海交易で発展した都市では、富裕な商人や支配者が芸術家や学者を支援し、文学・美術・建築などが発展します。また、古典研究を通じて人間や現実社会に目を向ける「人文主義(ヒューマニズム)」も広がりました。

こうした文化や思想は、やがてフランスやドイツ、ネーデルラント、イングランドなどにも広がっていきます。

14世紀
イタリアでルネサンスが始まる

フィレンツェなどの都市を中心に、古代ギリシア・ローマの文化や学問を見直す動きが広がる。

14世紀〜15世紀
人文主義が発展

古典研究を通して、人間や現実社会への関心を重視する人文主義が広がる。

15世紀半ば
活版印刷術が普及し始める

グーテンベルクらによる活版印刷によって書物の生産が拡大し、知識や思想が広く伝わるようになる。

15世紀末〜16世紀初め
イタリア・ルネサンスが最盛期へ

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロらが活躍し、絵画や彫刻、建築が大きく発展。

16世紀
ルネサンスが西ヨーロッパ各地へ広がる

フランス、ドイツ、ネーデルラント、イングランドなどでも人文主義や新しい文化が発展。

大航海時代(15世紀〜17世紀ごろ)

15世紀ごろから、ポルトガルやスペインを中心にヨーロッパ諸国の海外進出が本格化しました。

その背景には、香辛料などを求める交易の拡大や航海技術・船舶の発達に加えて、中世後期に王権が強まり、国王が航海事業を支援できるようになったことがあります。また、ルネサンス期には古代の地理学や天文学への関心が高まり、地図や世界についての知識が広がったことも海外進出を後押ししました。

15世紀
ポルトガルがアフリカ沿岸へ進出

アフリカ西岸の航路開拓を進め、インド洋へ向かう海上ルートを探る。

1492年
コロンブスがアメリカ大陸へ到達

スペインの支援を受けて大西洋を横断。以後、スペインによるアメリカ進出が本格化する。

1498年
ヴァスコ・ダ・ガマがインドへ到達

アフリカ南端を回る航路によってヨーロッパとインドが海上で直接結ばれる。

1519〜1522年
世界周航が達成される

マゼラン率いる船団が出航し、マゼラン死後にエルカーノらが航海を完遂。大西洋・太平洋・インド洋を結ぶ世界規模の航路が実際の航海によって確認された。

16世紀
ヨーロッパ諸国による植民地化と大西洋交易が拡大

スペイン・ポルトガルを中心に海外支配が広がり、銀・砂糖などの商品や奴隷を含む大西洋規模の交易が発達。

17世紀
オランダ・イギリスが海外交易へ進出

東インド会社などを通じてアジア貿易へ進出し、スペイン・ポルトガルに加えて新たな海洋国家が台頭する。

宗教改革と宗教戦争(16世紀〜17世紀)

16世紀になると、西ヨーロッパではカトリック教会のあり方を批判する動きが強まりました。

1517年、ドイツの神学者マルティン・ルターが贖宥状の販売などを批判すると、その主張は活版印刷を通じて広まり、宗教改革へと発展します。

宗教改革によって西ヨーロッパのキリスト教世界が複数の宗派に分かれると、宗教対立は各国の政治や諸侯の利害とも結びつき、フランスの宗教戦争や三十年戦争へと発展しました。

1648年のウェストファリア条約によって三十年戦争が終結し、ヨーロッパの政治秩序も大きく変化していきます。

1517年
ルターが宗教改革を始める

教会批判をきっかけに、西ヨーロッパで宗教改革が広がる。

1530年代
宗教改革が各地へ広がる

カルヴァン派が発展し、イングランドでは国教会が成立。

1545〜1563年
カトリック教会の改革が進む

トリエント公会議などを通じて教会制度や信仰を立て直す。

16世紀後半
ヨーロッパ各地で宗教対立が深まる

フランスの宗教戦争やネーデルラントの反乱など、宗派対立が政治・王権をめぐる争いと結びつく。

1618〜1648年
三十年戦争

宗教対立から始まり、ヨーロッパ諸国の政治・国際対立へ拡大。

1648年
ウェストファリア条約

三十年戦争が終結し、ヨーロッパの政治秩序が再編される。

主権国家の形成と絶対王政(17世紀〜18世紀)

17世紀になると、ヨーロッパでは国王を中心に行政や税制を整え、国家の力を強める動きが進みました。

フランスではルイ14世のもとで王権が強まり、国王が政治を主導する絶対王政が発展します。その権力を支えたのが、官僚制度と常備軍でした。常備軍を維持するには多くの資金が必要だったため、各国では税収の確保に加え、産業や貿易を振興して国家の富を増やそうとする重商主義政策も進められました。

プロイセンやオーストリア、ロシアでも軍隊や官僚制度が整えられ、国家の統治力が強化されました。スペインでは17世紀に国際的な地位が相対的に低下し、18世紀にはブルボン家のもとで統治改革が進められます。

一方、イギリスでは国王と議会の対立を経て議会の権限が強まり、フランスとは異なる政治体制が形成されます。

17世紀前半〜
各国で中央集権化が進む

官僚制度や常備軍、税制が整えられ、国家の統治力が強まる。

17世紀後半
フランスで絶対王政が最盛期を迎える

ルイ14世のもとで王権が強まり、中央集権化が進む。

1688〜1689年
イギリスで議会政治が確立へ向かう

名誉革命と権利章典によって議会の権限が強まる。

17世紀後半〜18世紀
東・中欧でも国家強化が進む

プロイセン・オーストリア・ロシアで軍隊や官僚制度が整えられる。

1701〜1714年
スペイン継承戦争

スペイン王位をめぐってフランスとオーストリアが対立し、イギリスやオランダなども参戦。戦後は列強間の勢力均衡が重視されるようになる。

18世紀になると、ヨーロッパ諸国の政治や経済はアメリカやアジアなど世界各地との結びつきをさらに強めていきます。市民革命や産業革命を経て、歴史の舞台はより世界規模へ広がっていきました。

PAGE
1 2 3
記事URLをコピーしました