【歴史の裏話】古代ローマ人の意外すぎる暮らしと技術5選+おまけ

古代ローマと聞くと、円形闘技場コロッセオや英雄カエサルが思い浮かびますが、実は当時のローマ人は現代の感覚ではちょっと信じられないような暮らしや技術を持っていました。
今回はそんな思わず二度見してしまう古代ローマの風習やテクノロジーを、筆者の独断と偏見で5つ厳選してご紹介します。
2000年以上も現存する“ローマン・コンクリート”の謎
現代でも街中でよく見かけるコンクリートですが、実はそのルーツは古代ローマにあります。しかも、古代ローマのコンクリートは現代のものよりも耐久性に優れていたというから驚き。
この「ローマン・コンクリート」は火山灰を材料に含んでおり、海水にも耐える構造をしていたといわれています。パンテオンやコロッセオ、水道橋などの建造物が今なお残っているのは、この驚異の建材のおかげなのです。
特にパンテオンのドームは、今でも世界最大の無補強コンクリートドームとして名を馳せています。
トイレも社交の場?スポンジ棒テルソリウムの使用法
現代のトイレットペーパーが登場するのはずっと後のこと。古代ローマの公共トイレでは、棒の先にスポンジを付けた「テルソリウム」と呼ばれる道具を使っていました。
しかもこれ、水や酢で洗って再利用し、さらに他人と共有するのが普通だったというのですから、なかなかの衛生感覚です。トイレは長椅子状で、横並びで会話しながら用を足す使用になっていました。
ローマ帝国でトイレは社交場としての役割も果たしていたそうです。
闘技場で“海戦”が繰り広げられていた!?

コロッセオでは剣闘士同士の戦いが有名ですが、実は初期にはなんと模擬海戦(ナウマキア)が行われていた記録があります。
アリーナに大量の水を注ぎ、本物さながらの艦隊戦を再現。そのスケールは壮大で、数百人の囚人や奴隷が水上で戦わされたと伝えられています。
ただし、あまりにも準備が大変でコストも莫大だったため、短期間で廃止されてしまいました。
66日で消えた!? 悲劇の皇帝ディディウス・ユリアヌス
古代ローマでは権力闘争が絶えず皇帝の交代も頻繁に行われていましたが、中でも異色なのがディディウス・ユリアヌスという人物です。
なんと彼は、ローマ親衛隊による“皇帝オークション”で最高額を提示したことで即位。しかし、民衆にも軍にも見放され、たった66日で暗殺されてしまいます。
彼が最後に残した言葉は「私が何をした?誰を殺した?」だったそうです。まさに、ローマならではの数奇な運命といえるでしょう。
臭いけど大人気!魚の内臓から作られたガルム
ローマ料理に欠かせなかったのが、「ガルム」と呼ばれる調味料。これは、魚の内臓を塩漬けして発酵させた魚醤で、現代のナンプラーやしょっつるに近いものです。
ガルムは非常に香りが強烈だったとされ、肉や野菜、パンにまで使われていたとか。当時は各地で生産され、ブランド化も進んでいたようです。
おまけ:紫の衣服は皇帝の特権だった
古代ローマで「紫」は高貴な色とされ、特にティリアン・パープルと呼ばれる染料は超高級品。地中海沿岸の貝からごくわずかにしか取れない希少品で、金以上の価値があったといわれます。
そのため、紫色の衣服は皇帝専用とされ、一般市民が身に付けることは禁じられていました。違反すれば罰せられるほど、厳格な決まりだったのです。
現代では当たり前と思っていることも、歴史をひもとけば「常識外れ」に見える文化が山のようにあります。古代ローマの人々が築いた技術や社会制度には、驚きと発見が満載です。
当時の人々の知恵とユニークな感性を知ることで、自分たちの当たり前を見直すきっかけにもなるかもしれませんね。