歴史コラム

考古学で使われる炭素14年代測定法とは?

f:id:miumaga:20180110201844j:plain

考古学の世界では、文化的遺産や化石などの年代を測定するのに放射性炭素年代測定という方法があります。

 

ちなみにWikipediaでは…

自然の生物圏内において放射性同位体である炭素14 (14C) の存在比率が1兆個につき1個のレベルと一定であることを基にした年代測定方法である

 

と書かれていますが、何のことやらサッパリの人は私だけではないはずです。

以前、縄文時代の記事を書いた時にも炭素14年代測定法のキーワードが出てきたといい事で、調べてみましたので今回は炭素14年代測定法について書いていきます。

 

縄文時代はどんな時代だったの? 縄文時代は世界史の区分で言うと新石器時代に相当します。 良く、旧石器時代とどう違うのかと言う人もいますが、今回はそれも踏まえて...

 

炭素元素の同位体

化学の話にりますが、原子には同位体と言うものが存在します。

 

同位体とは…

同じ原子番号を持つ元素の原子において、原子核の中性子(つまりその原子の質量数)が異なる核種の関係、あるいは核種』(wikipediaより)。

 

の事で、中学校や高校で習った様な気がしますが、もう何十年も前の話なのですっかり忘れてしまいました。そのため、復習の意味を込めて原子や中性子、陽子の事を交えながら、炭素14年代測定法を調べてみました。

 

原子とは?

元素最小単位で、物質を分けた時にこれ以上分けられないとこまでの小さな粒の事を言います。

その原子はプラスの電荷をもつ陽子と電荷を持たない中性子を合わせた原子核、さらにプラスの電荷に引き寄せられたマイナスの電荷をもつ電子で成り立っています。

ちなみに、陽子の数と電子の数は常に等しい。

 

f:id:miumaga:20140513053435p:plain

この図はヘリウム原子の模式図ですが、オレンジと黄色の円がそれぞれ陽子と中性子、黄緑が電子であることを表しています。

基本的にはオレンジと黄色がそれぞれ6つずつ集まっているのが炭素。

参考画像:wikipediaより「原子核」

 

炭素について

炭素は原子番号が6の元素で、6つの陽子と6つの中性子で構成されているのが基準。ところが時々、中性子の数が違っている場合があります。

炭素を構成している中性子が7つの時には炭素13(C13)、8つの時は炭素14(C14)と言われ、炭素の「同位体」として自然界に存在している。この13、とか14っていうのは質量数(重さ)のことを指しています。

 

その同位体の中には構造が不安定で時間と共に放射性崩壊(α線、β線、γ線という放射線を出すことで安定的な原子核に変化すること)を起こす放射性同位体と呼ばれるものがあり、炭素14はその一つ。炭素の同位体としては天然で見られる唯一のもので、半減期は放射性同位体としては長寿命の5730年もあります。

 

この炭素14は、空気中に一番多く存在する窒素が成層圏で宇宙空間にある高エネルギーを持つ宇宙線(原子核や素粒子などの粒子で構成)に反応して常時新たに再生され、地上に降りてくることで存在しています。なお、自然界の炭素の割合はC12(存在比98.93%)、C13(存在比1.07%)、C14(微量)で自然界では一定を保っている。1万年前に作られた炭素14も当然存在します。

 

以上を踏まえたうえで本題に入ります。

 

炭素14年代測定法について

新たに補充される心配のない遺物の炭素14の数を元に時間の経過を推定する方法。

直接炭素14の粒子数を数える方法を、加速器質量分析法(AMS法)と呼び、短時間で調査が可能で、採取量が少なくても測定できるが高価です。

 

一方、炭素14が放射性崩壊を起こす時に出るβ線の放出量割合を元に年代を推定する方法をβ線計数法と呼ぶが、長い測定時間が必要になります。ただし価格は安価でサンプル量が多い場合に選ぶことが多いです。

縄文時代の年代を調べる際には炭素14年代測定法と表示せず、AMS法と書かれている場合も見られ、他に過去の年代を調べる方法としては年輪年代法が知られています。

 

<参考サイト>
楽しい高校化学「1-4原子の構造」

東京大学宇宙線研究所「宇宙線とは」

株式会社加速器分析研究所「放射性炭素年代測定」

※2019年9月12日更新

ABOUT ME
miumaga
歴史好きが高じて、日本史・世界史を社会人になってから始めました。史実を調べるのも好きですが、漫画・ゲーム・小説も楽しんでます。いずれ歴史能力検定を受ける予定。どうぞよろしくお願いします。