奈良時代

桓武天皇の大事業の東北平定

桓武天皇の二大事業と言えば、長岡京と平安京への遷都と東北地方の平定です。

今回は東北地方に焦点を当てて調べてみます。

東北地方の歴史

まずは東北地方の当時の状況について見てみます。

東北地方は他の地域が弥生時代に入ってからも続縄文時代と呼ばれる時代のままで、基本的にはヤマト政権や日本の足取りとは違う文化を継承してきました。

大化の改新を行う際、東北(=蝦夷の地)には道奥国という国を置きましたが、名ばかりのもので東北の大部分は服属しない状況のままでした。

このくらいの時期から城柵と呼ばれる防衛施設を作っていきます。

東北征伐

いよいよ本格的に東北を征伐しようとなったのが、斉明天皇朝の675年から。この頃は中国大陸に隋や唐という力を持った統一国家が成立していて、朝鮮半島との関係も微妙なものになっている時期です。

国内の安定を図るため阿倍比羅夫が東北に赴き、蝦夷や蝦夷と敵対する勢力と戦ったりして飴と鞭で?一応帰属させることができました。

ところが、その後の開拓に問題が出てきます。

東北は他の地域よりも冷害の影響が出やすい場所です。だからこそ稲作伝来後も狩猟採集社会が持続していったわけです。それを開拓していくとどうなるか? 飢餓が発生しやすい状況になるかと思います(ただし、奈良時代は、江戸時代の時ほど飢饉は頻繁に発生していません。奈良時代は温暖化に足を突っ込んだ時期だったためです)

東北の飢饉の歴史に関する年表

表1 年代別、凶饉の程度別回数

西 暦不作か大不作凶作か大凶作飢 饉大飢饉不 明
713-80003 (2)5 –0 –08 (2)
801-90023 –13 (1)0 –018 (1)
901-100000 –1 –0 –01 –
1001-110001 –0 –0 –01 –
1101-120011 –0 –0 –13 (1)
1201-130001 –2 –1 –04 –
1301-140001 –3 (1)3 –29 (1)*
1501-160025 (2)12 (1)1 –020 (3)
1601-170014 (1)24 (6)19 (5)5 (3)062 (15)
1701-180022 (6)37 (23)25 (14)3 (3)087 (46)
1801-190033 (4)32 (15)8 (4)2 (2)075 (25)
77 (11)109 (48)100 (26)20 (8)4310 (94)

注)*:冷害程度不明、()内は明らかに冷害による被害
出典:田中稔(1958)「冷害の歴史」『農業改良』第8号、p1-7、農林省振興局編集

※図説東北の稲作と冷害より転載

関係するところは713-800年の部分ですが、凶作か大凶作、飢饉に何度かなっているのが分かります。平安時代以降飢饉などが少なくなっているのは中世の温暖期に本格的に重なっているためだと考えられます。

奈良時代に僧侶が増えた理由と鑑真の来日理由を調べてみるで735年からの天然痘は気温が高くなってきたことが流行の原因の一つと書きました。このあたりから温暖化が始まりますが、まだまだ安定していません。

帰順した蝦夷の反乱

さらにもう一つ反乱の原因が、帰順した蝦夷を関東以西の各地に俘囚として移住、開拓に当たらせました。主にこの俘囚に対する扱いが酷いこと反乱の発端になったと考えられています。

俘囚や飢饉などにより一度は帰順したはずの蝦夷の豪族・伊治呰麻呂(これはりのあざまろ)が780年に乱をおこし、一時期は東北の軍事拠点でもある多賀城をおとすという大規模な反乱に発展します。

これがかれこれ30数年続いていたことから、桓武天皇は紀古佐美(きのこさみ)を征東大使として大軍を派遣しますが大敗。その後、坂上田村麻呂が征夷大将軍となって胆沢城を築き、蝦夷の中心的人物・阿弖流為(あるてい)を帰順させます。

※追記(2015.10.30)

伊治呰麻呂の乱自体は1年で終わっていますが、その前から東北は荒れていて三八年戦争と呼ばれる状態が770年頃から続いていました。

結局、日本海側では米代川流域まで、北は北上川上流の志波城(しわじょう)を築く
にまで支配権が及ぶこととなりました。そこまでは良かったのですが、平安京との二大事業を重ねて行うには財政的に難しくなってしまい、二大事業を打ち切りにします。

紆余曲折ありましたが、結果的に以前より広い範囲を支配できたことは桓武天皇の大きな功績ですね。

※尚、最初に書いていた文章は見難いので改めて別記事にうつさせていただきました。

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歴ブロ
歴史好きが高じて、日本史・世界史を社会人になってから始めました。史実を調べるのも好きですが、漫画・ゲーム・小説も楽しんでます。いずれ歴史能力検定を受ける予定。どうぞよろしくお願いします。